一年間、毎日更新してきたこのウェブサイトも本日でひとまず終了します。毎日楽しかったなあ。執筆者の皆さま、デザインとサイトの管理をしてくださった前園直樹さん、コロムビアやレディメイドのスタッフの皆さま、そして何よりいままでお付き合い戴いた読者の皆さま、本当に有難うございました。それから原稿、書いてください、と声をかけたものの、ついに書いてくださらなかった皆さまにも、ありがとう、と言っておきます。

どうして毎日更新にしたかと言えば、ぼくの好きなレコード屋さんが、基本的に毎日定時に更新しているところが多かったのです。きょうはどんなレコードがアップされるのか、この楽しみはレコードが好きな人にしか解からない、と思いますが、とにかく毎日ワクワクしていたのです。

こういうエンタテインメントもあるんだな。NHKの連続テレビ小説、とか、新聞のマンガとか、そういうお楽しみに近いもの。それをやってみよう、と思ったわけです。

そうして毎日、ほんの少しだけ、音楽の楽しみのことを思い出してもらいたい、そんなふうに考えたわけです。

いまや街中に音楽は溢れ返っていて、すっかりあるのが当たり前になっていますが、それだけに誰も音楽の素晴らしさ、ありがたみ、というものを忘れそうになる。

もともとレコード、というのは、記録のこと。音楽だけではなくて、いつか聴くことが出来なくなってしまう大切な人の声や、人生のあるひとときを永遠に記憶しておくためのモノでした。

やがて素晴らしい演奏家や歌手のパフォーマンスを記録するメディアとして、レコードは産業となりました。そこに入っている音楽は、いちおう記録するに値する素晴らしいもの、ということが前提で、レコードは商品として成り立っていたわけです。

でも、いまはそうじゃない、という結論に導きたくて、こんな話をしているわけではないのです。音楽が生活の中にあることの素晴らしさ、人生とともにあることの歓びを、皆さんに明日からもときどき思い出してもらいたい、ということです。

「レコード手帖。」最後のエントリーは、フカミマドカさん。一見、小難しいタイトルですが、そんなに堅苦しいハナシではありませんので、皆さん、ぜひお読みください。少し前から、最後の原稿はフカミさんに書いて戴こう、と決めていたような気がします。ぼく自身がいちばん読みたかった原稿、ということかも知れません。フカミさんのブログ、最近は更新されるたびに読んでいますが、毎日のグダグダな話の中に、ときどきハッとさせられるようなことが書いてあるのです。ぼくはいつも、これからの音楽と仕事を考えるときのヒントをもらっています。この原稿を、会社の半休を取って書いたことも読んで知りました。フカミさん、有難うございました。

いままでの執筆者の方々の原稿や、特集や試聴室など、しばらくはそのまま残していきますので。何か気になる記事とか、ときどき読み返してくださいませ。

またどこかで、こんな雑誌のような遊びをやってみたい、と考えています。前園直樹グループのサイトレディメイド・ジャーナルもチェックしてください。野本かりあさんのブログは近々お引越しする、と彼女自身から聞きました。お楽しみに。

告知。DJスケジュールはレディメイド・ジャーナルでチェックしてください。今週末も中野でDJして来ます。そして「マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。」という長いタイトルの本は4月28日頃、書店に並びます。

それでは皆さん、また会う日まで。どこかで会ったら、声をかけてくださいね。小西康陽でした。