1. illustration for 「COME SEE ME/the 5,6,7,8's」EP /acrylic gouache on paper

2. artwork for 「COME SEE ME/the 5,6,7,8's」EP

3. illustration for 「STILL WILD AND CRAZY BEAT/Various Artists」CD /acrylic gouache on paper

4. artwork for 「STILL WILD AND CRAZY BEAT/Various Artists」CD

5. illustration for 「GARAGE ROCKIN' CRAZE/Various Artists」DVD /acrylic gouache on paper

6. artwork for 「GARAGE ROCKIN' CRAZE/Various Artists」DVD

7. artwork for 「TEENAGE MOJO WORKOUT/the 5,6,7,8's」LP/photo:Shigeo Kikuchi

8. artwork for 「DEAR-TRACKS/the Strikes」CD/photo:Masahiro Hushimi

9. artwork for 「TELL ME MY GIRL/the Strikes」7inch single/photo:Yasuhiro Nakamori

80年代を代表するガレージバンドのひとつ、ザ・バラクーダスに「I Wish It could Be 1965 Again(1965年よもう一度)」という曲がある。

♪ジャン.アンド.ディーン!ユーノウワライミーン!サーフ.シティ!ドラッグ.シティ!フォーク.シティ!モーター・シティ!ヒット・シティ、ナンバー・ワン!ファン.シティ、ファンファンファン!ヘイ・ジョー!ゴーイン・トゥ・ア・ゴーゴー!チュゥイチュゥイ!グディグディ!ヤミーヤミー!アンド、ルイルイ!シンディグ!フラバルー!バンドスタンド!アンド、ホェア・ジ・アクション・イズ!エイト・マイルズ・ハ〜イ!テイク・ア・トリップ、ホープ・ユー・フリップ!鮮度満点‘65!ターン・ターン・ターン!バーン・ベビ・バーン!ドロップ・アウト!シット・イン!スタンド.アップ!ゲット.ダウン!このフィーリング判るかい?エヴァー・スペント・ザ・ナイト・イン・ジェイル?東の空が燃えてるぜ...

できることなら何もかもが新鮮で輝いて見える60年代へ、今の自分(現代人)の気持ちで行ってみたい。タイムマシンにお願い・・・髪型も楽器も服装も60年代で固めた若人による、大らかな60年代賛歌。
ジミー益子先生によるイラストやアートワークを見るとき、いつもこの曲を思い出すのです。

ジミー先生が手掛ける、ガレージパンクのアートワークは、ありがちな「マニアックなグループのジャケをパロる/パクる」んじゃなく、60年代マナーをふまえた上でのオリジナル発想なので、先生ならきっと1965年に行ったとしてもそのまま絵とデザイン(文筆も)で食っていけると思います。

どうやったらこんな絵が描けるんだろう・・・。

美術講師をつかまえて「絵がうまいですね」というのも間の抜けたコメントですが、独学で基礎というものがまったくない自分にとっては、アクリル絵の具でこんなふうに服の質感を出したり、光のあたる表現や影のつけ方とかが、あまりに自然すぎて、これが全部手で描かれてる「絵」であることさえ忘れてしまう。
ノブさんのコンピCDのジャケなんか、実際に撮影した写真をフォトショップで絵画風に加工したものと長いこと思い込んでました。
で、あらためて「ジミー先生の作品」としてこういった作品群を拝見しなおして「驚異!」としか言いようの無い思いです。
いったいどこのメーカーの絵の具を使ったらこんな深い表現ができるんだろう?真似したくても出来ない。

技術もそうだけど、なんといってもセンスがバツグン。
5.6.7.8'Sの、切り取れば小さなステージが出来上がる仕掛けは、いかにもいにしえのティーンエイジャー向けのレコードっぽくて楽しい。
イベントGARAGE ROCKIN' CRAZEのライブDVDジャケは、出演バンドのメンバーの、ぐっとくる演奏シーンを真空パックしている。そのタッチはどこか映画館の看板絵のようにも見え、見世物小屋っぽくさえある。「怪奇!ガレージパンクの赤い夜」てな具合に。

60年代の文化に造詣が深く(かくいう自分がガレージパンクを聴き始めるきっかけになったのもジミー先生の文章)、古くてあやしくて面白いもの大好きなセンスや、それを形にすることができる確かな技術・・・つまり、ジミー先生のアートワークにはレコード好きな大人の、マニアックであると同時に大らかな60年代愛と、イキで幸福な時間がぎゅっと詰まってるから大好きなのです。

ジミー先生のイラストで、「PEBBLES」みたいなガレージパンクのシリーズコンピが出ればいいのになあ!

キングジョー KING JOE

■本名・森本吉哲(もりもとよしあき)。1968年香川県生まれ。かに座。O型。ガレージパンク愛好家。著書に「SOFT,HELL! ガレージパンクに恋狂い」(JUNGLE BOOK)、「SOFT,HELL! 悪魔のティーンエイジブルース」(メタ・ブレーン)等。2007年末、初の画集「SINGLES GOING STEADY」がpresspop社より日米同時発売。
 www.presspop.com/shop/king_joe/king_001.html
■現在単行本「SOFT,HELL! やるせなく果てしなく」を執筆・編集中。普段は会社員。

特集:ジミー益子レトロスペクティヴ。4日目。ガレージ。(2009年2月24日 *連載全14回)

80年代後半、ネオ・GSの後に下北沢のクラブ、スリッツで60年代ガレージを中心としたDJイベントをおこなっていたのですが、同時期に活動をはじめたのが東京ガレージ・シーンのバンドたちでした。中心人物はダディ・オー・ノブ。彼の企画ライヴ・イベント「BACK FROM THE GRAVE」からTHE 5,6,7,8'S、JACKIE AND THE CEDRICS、MAD3、GUITAR WOLFなどが育っていったと言ってよいでしょう。僕にとって最も身近に感じられるシーンです。

1. はドイツでリリースされた7インチEP用のイラスト。2. はその全体で、ジャケットを切って組み立てるとステージで演奏する5,6,7,8'Sが出来るようにつくりました。実は僕も組み立てたことはないのですが、5,6,7,8'Sのロニーのところに海外のファンが組み立てた写真が何枚か送られてきていました。3. はダディ・オー・ノブのポートレートと、4. はそれを使ったCDブックレットです。東京ガレージ・シーンのバンドのレア・トラック集で、60年代によくあったローカル局のDJのイラストを使ったコンピレーションのイメージです。本人は困ってましたが....。5. はかつて僕のおこなっていたDJイベントの企画名を冠したDVD用のイラスト。6. はそのパッケージです。このイベントは5,6,7,8'Sが引き継いでいます。7. は60年代南米コロンビアのLOS AMPEXのジャケットのイメージで、新宿のフォト・スタジオで撮影。LP版歌詞カードはオデオン盤「リボルバー」の歌詞カードを参考につくっています。8. は写真は決まっていたので文字を「THE CRAZY BEAT OF GENE VINCENT」風に組んでいます。9. は64年頃のイギリス盤EPの白いジャケット灼けくらいの色を引いてみました。

ジミー益子 jimmy MASHIKO

■イラストレーター/グラフィック・デザイナー/予備校講師
■1960年代とガレージパンク的なもの愛好家。1980年代にネオGSシーンに関与しうろうろ。1990年代は東京ガレージ・パンク・シーンでDJなどでうろうろ。